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未来都市スーパーシティとは?構想やスマートシティとの違い、特区について

スーパーシティ構想

内閣府は「スーパーシティ構想」を推進するべく、一部の法律を改正するなど積極的な取り組みを見せてきました。
最新テクノロジーを一般市民が日常的に享受できる場所として、スーパーシティは期待されています。
ただ、スーパーシティの意味を理解していない人も多いでしょう。
この記事では、スーパーシティ構想やスマートシティとの違いについて解説していきます。

 

スーパーシティとは?

スーパーシティとは、内閣府の主導によって構想されている、テクノロジーを駆使したインフラが整備された未来都市のことです。
具体的には、AIやビッグデータを積極活用して、内閣府は街全体で第四次産業革命を象徴させようとしています。
スーパーシティが実現すれば、世界最先端の科学都市となり、諸外国にとってのロールモデルにもなりえるでしょう。

スーパーシティ構想では、都市生活に求められるサービスを全住民が無条件または格安で利用できる社会を目指しています。
その為に、内閣府は長期的な成長戦略を計画し、コンセプトを固めてきました。
それらは
「複数領域にまたがる社会『未来像』の先行実現」
「欧州モデルをもとにした住民参画型都市の創生」
「地方自治体首長のコミット力強化」
「最先端テクノロジーを実装可能な企業との協力体制構築」
に分けられます。

まず、スーパーシティでは移動や支払いをより便利にしたり、教育や環境問題を充実させたりして、明るい未来像を体現していくことが理想とされています。

次に、内閣府は欧州のように「住民がデータ提供に同意したうえで、サービスを受けられるようになる」システムを採用しました。
これを「オプトイン型」と呼び、スーパーシティ実現の重要な指針となっています。

また、スーパーシティでは国際的権威のある教育、医療機関などの誘致が必須である為、首長のリーダーシップも大事な基盤だといえるでしょう。
グローバル社会の中でも各国と対等にわたりあえる交渉力が首長に求められています。

そして、スーパーシティではITテクノロジーを提供する企業と行政の提携が不可欠。
優れた技術を持つ企業とパートナーシップを結ぶことで計画は実現へと近づきます。

 

スーパーシティ構想について

世界最先端のインフラを整備し、社会構造を根本から変革する場所を日本国内に置くことが「スーパーシティ構想」の核なのですが、こうした事例は先例がないわけではありません。

カナダのトロント市では大手IT企業と行政が連携することで、あらゆる場所のものや人がビッグデータとして観測される仕組みを生み出しました。
その結果、物流や交通がスムーズになるなどのメリットが生まれています。

また、中国の杭州市でも世界的なECサイトの運営会社と提携し、カメラ映像のAI分析を徹底しました。
そして、キャッシュレス支払いの無人コンビニが増えるなどの成果を生み出しています。

日本の内閣府もこれらの事例を意識しながら、独自の未来都市を実現するべく2018年からスーパーシティ構想に着手し始めます。
構想の中心にあるのが、AI解析やビッグデータ収集という点は先例と共通しています。
そのうえで、全ての医療や介護を自宅で受けられたり、世界最先端の教育をインターネットを通して子どもに施したりできる社会を構想中です。

また、キャッシュレス社会への転換もスーパーシティの大きなコンセプトです。
都市の中では現金が不要になり、全ての買い物は電子決済となる予定です。

2020年5月には「スーパーシティ法案」が参議院本会議で可決され、スーパーシティの実現に向けた動きは加速化しています。
ただし、個人情報の取り扱いや、地域の特色が失われてしまうことなどへの懐疑的な意見も出てきています。
こうした反対派との妥協点を見つけることは、推進派に課せられた重要なテーマだといえるでしょう。

スーパーシティ構想を内閣府が推し進めていくには、反対派も含む国民へ真摯に呼びかけて「自分たちの生活をよりよくする」と理解してもらうことが必要です。
内閣府では令和2年6月に、スーパーシティ構想のアイデアを一般企業、団体から公募するなどして、広い賛同を得られるプロジェクト運営に努めています。

 

スーパーシティとスマートシティの違い

よく似たプロジェクトとして「スマートシティ構想」が挙げられます。
テクノロジーを駆使して、住民が便利に暮らせる都市を創生しようという目的自体は確かにスーパーシティ構想とよく似ています。
ただ、スーパーシティとスマートシティの違いを挙げるとすれば、「技術が適用される分野の範囲」だといえるでしょう。

スーパーシティ構想とはビッグデータなどを活用しながら、都市生活が抱えている問題点を解決しようとするプロジェクトです。
そこに分野や部門の縛りはほぼなく、ショッピングや交通、物流から福祉にいたるまで、さまざまなシーンに最先端のテクノロジーが用いられます。

一方、スマートシティではテクノロジーの適用範囲がやや限定的です。
2019年2月に開かれた有識者懇談会によれば、スマートシティ構想は「エネルギーや交通など個別分野の取り組みだけに限られる」と報告がなされていました。
そもそも日本の都市ではエネルギーや交通に関する問題はそれほど深刻化していないので、スマートシティの創生によって爆発的に現状が改善される可能性は低いといえます。
また、スマートシティでは技術の追求が強調されており、実用化の面においては具体的なビジョンが提示されてきませんでした。

スーパーシティ構想では何よりもITテクノロジーの「実装」を意識しています。
技術を誇示することが目的ではなく、あくまでも住民たちの生活の変革が重要視されています。
もしもスーパーシティが地方に生み出されれば、都市圏との格差が埋まり、人口の流出といった死活問題への解決にもつながるでしょう。
その点も、「誰がどのように恩恵を得るか」が曖昧なスマートシティ構想との違いです。

 

スーパーシティ特区について

「国家戦略特区制度」は、スーパーシティ構想の中心でもあります。
国家戦略特区制度そのものは平成25年に制定された法律で、内閣府からは「世界で一番ビジネスをしやすい環境を作ることが目的」と説明されています。
これまで観光、医療、介護といった分野において、画期的なアイデアを提案した地域に対し、特例措置が認められてきました。
そして、スーパーシティ構想にあてはまる計画を推進している地域も、特区の対象となります。
こうした地域を「スーパーシティ特区」と呼ぶこともあります。

特例措置を受けた市町村は、大幅に規制や制度が緩和される仕組みです。
その為、構想しているビジネスを実現できる環境が迅速に整備されていきます。
また、税制面でも優遇されるので、人口増加や有能な人材の引き留めなども国から支援されます。
そもそも、スーパーシティ構想を市町村で推進していくには住民の協力のもと、個人データを行政や企業が活用できる状況を作らなくてはなりません。
国家戦略特区に指定され、個人情報保護法などの規制を緩和しなければ、プロジェクトの実現は難しいでしょう。

2020年2月には国家戦略特別区域法の一部を改正する法案が成立し、多くの自治体がスーパーシティ特区に名乗りを上げやすくなりました。
住民合意をとりつけているなどの条件はあるものの、スーパーシティ構想に協力する市町村が、特例措置を受けられる可能性は高まっています。

 

スーパーシティ構想の実現はどんどん近づいている

すでに多くの企業がスーパーシティ構想のアイデア公募に参加したり、さまざまな市町村がスーパーシティ特区に名乗りを上げたりしています。

住民の理解さえあれば、スーパーシティは交通やショッピングなど、市民生活全体を便利にできるプロジェクトです。
特に、発展を目指す地方自治体にとって構想への参画は大きなチャンスとなるでしょう。

 

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