1. article
  2. article
  3. 2021年創設予定のデジタル庁とは?期待される役割や取り組みを紹介します。

2021年創設予定のデジタル庁とは?期待される役割や取り組みを紹介します。

デジタル庁

デジタル庁は2020年9月に発足した菅内閣の目玉政策のひとつです。
ニュースでも取り上げられる機会が増えてきているので、気になっている人は多いのではないでしょうか?
本記事では、デジタル庁の担う具体的な役割やメリットを紹介するとともに、デジタル庁と国民のコミュニケーションツールであるアイデアボックスについても解説をしていきます。

 

デジタル庁ってどんな組織?

行政のデジタル化を推進するための新しい組織、それがデジタル庁です。
現在、各省庁は個別のITシステムを利用しているため、作業の重複や無駄なコストが発生している状況です。
縦割り行政になっているIT関連の業務改善は急務と言えますし、IT関連の技術を高め国際競争力を強化したい狙いもあります。
また、行政データの有効活用や官民の働き方改革などもデジタル庁の重要な役割のひとつでしょう。

デジタル改革担当大臣には、自民党内で広報戦略局長やIT戦略特命委員長などの経験がある平井卓也氏が任命されています。
デジタル庁は官民に関係なく優秀な人材を公募中しており、平井デジタル改革担当大臣はデジタル庁のトップを民間から選出する意思を表明しています。

2020年12月15日、自民党の会合でデジタル庁の基本方針が発表されました。
2021年9月1日より、民間エンジニア、および非常勤職員を含め500人体制でスタートする計画で、行政サービスの質を改善する取り組みや、IT業務に対応できる人材の育成などに順次着手していくとのこと。
基本方針には利便性の高いデジタル社会を実現するための、具体的な施策やスケジュールが盛り込まれる予定です。
デジタル庁の進捗は全官僚が参加する「デジタル社会推進会議」によって管理されます。

デジタル庁の行う業務は多岐に渡りますが、最優先事項の業務としては、国と自治体のシステム統合が挙げられるでしょう。
まず、各省庁でバラバラに導入されているITシステム統一、そして次のステップとして行政機関と地方自治体の連携もスムーズにできるよう整えます。
行政手続きのオンライン化も重要な業務のひとつ。
日本は先進国ですが、電子化が遅れている状況にあり、「世界で1番紙を使用する国」だと評されています。
電子国家として有名なエストニアは行政手続きの99%が電子交付です。
税金の申告や選挙の投票さえも、インターネットで行えます。

日本とエストニアでは環境が異なるため、すべてを同等にするのは難しいですが、IT関連政策のモデルとして研究や官民交流が実施されています。
日本は今後、住民票の発行など、従来の行政手続きで必要な書類の作成や出向く手間を省き、スマートフォンで申請を行えるような仕組みを導入する計画です。

そして、マイナンバーカードの普及促進にも力を入れる予定です。
健康保険証や運転免許証など、本人確認で使用する規格の統合がその足掛かりとなるでしょう。
マイナンバーカードは身分証明書として使えますが、行政手続きで使うシーンはあまりないです。
現状、持っていなくても、そこまで困るものではないため、マイナンバーカードをなかなか作成しない人も多いのではないでしょうか。
マイナンバーカードが健康保険証や運転免許証の役割も担うのであれば、携帯必須のアイテムとして昇格できる可能性が高くなります。
マイナンバーカードにできる限りの情報を集約する方向でデジタル庁は動いています。

デジタル庁の発足によって、様々なメリットが発生することが期待されています。
各省庁と自治体のシステムが統一化され、データが共有されれば、各種行政の手続きは速くなり、役所や税務署で長時間待たされるような状況は今よりも確実に減るでしょう。
また、各種作業がデジタル化されることでコストの削減にも繋がります。
例えば、ハンコを押す作業をひとつとっても、紙の印刷、保管、検索のコストなどが削減されます。

平井デジタル改革担当大臣はデジタル庁によって「デジタルトランスフォーメーション」、通称「DX」の流れが発生する状況を期待しています。
(※DXとは、デジタル技術とデータを駆使し、業務や組織を改革させることです。)
あらゆる事業がデジタル化できれば、生産性と収益性は大きく向上するでしょう。

デジタル庁が新設されれば、様々なメリットが期待できますが、その一方でセキュリティには注意が必要です。
デジタル化が進むほど、個人情報の流出に関するリスクは高くなるでしょう。
免許証や保険証など、あらゆる情報をつめこんだマイナンバーカードの情報が万が一流出すれば、大惨事となります。
個人情報を守るためのセキュリティをどうするかについては、入念に検討をしなくてはなりません。

さらに、インターネットが苦手な人に対するフォローも大切になります。
世の中にはパソコンやインターネットが得意ではない人もたくさんいるでしょう。
当面の間は税務署、市役所にパソコン操作を代行する人を配置する、書面での手続きも受け付けるなど、誰でも安心してサービスが受けられる環境が望ましいです。
職場でもインターネットに弱い人がいれば、できる人がサポートするなど、お互いに協力する意識が求められます。

 

アイデアを出したり意見交換ができる場、アイデアボックス

デジタル庁を立ち上げるにあたって、国民の意見を募集することを目的としたアイデアボックスが用意されました。
意見を集める方法としてアンケートなどもありますが、そういった方法では提出者同士の意見交流ができません。
アイデアボックスでは投稿されたアイデアが基本的に公開され、誰でも確認できるような仕組みです。
他人が発言した意見に対し、支持や中立、反対といった投票をしたり、コメントをつけたりすることも可能となっています。
意見は実名ではなく、ニックネームが使えるので、気軽な発言をしやすい環境です。
お互いに意見交換を行い、アイデアをよりよい方向へ発展させることがアイデアボックスの狙いです。

アイデアボックスはいくつかのカテゴリーに分かれています。
「生活者・事業者の声」、「自治体職員の声」、「省庁職員の声」などがあり、デジタル庁の性質上、「IT業界の声」というカテゴリーも設定されています。
アイデアボックスに投稿されたアイデアや意見に基づき、平井デジタル改革担当大臣と投稿者がオープンに対話をするイベントも何度か開催され、マイナンバー制度の徹底活用や、国と地方の連携について熱い議論が交わされました。

アイデアボックスに寄せられた意見は賛成が多いものだけが重要視されるわけではありません。
投稿されたすべての意見に対して整理、分析がが実施されます。
事務局がアイデアをグループごとに分類し文書分析ツールで解析をしたり、公開されたCSVを元に企業がAI解析をしたりします。
こういった取り組みを行うことにより、少数派の意見も見逃さないようにしているようです。
また、アイデアボックスに寄せられた意見を試験的に政府会議の取りまとめに活用することも行われています。

デジタル庁はアイデアボックスに投稿されたアイデアを参考にしながら個別政策を実施する予定です。
アイデアボックスをより使いやすくするために、UIやUXの改善案も募集中。
提案の内容を元に、UIやUXは随時改善されていくようです。
また、改善フェーズでは民間からのサポートも募る予定となっており、アイデアの分析についても企業、個人問わず募集をする方向性ですので、興味がある人は応募してみるのも良いでしょう。

 

デジタル庁の発足により日本はきっとよい方向に進む

デジタル庁の発足により、日本の行政や自治体の動きは大きく変わっていくでしょう。
解決すべき問題はまだまだ残っていますが、ITに精通している平井デジタル改革担当大臣が中心になり指揮を取っているので、きっと乗り越えられるはずです。
国民からのアイデアボックスも大きな力となっています。
様々な手続きが簡素化され便利になる時代は、すぐそこまできているのかもしれません。

関連記事