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地方創生とは?自治体や企業の取り組み、課題などをご紹介します。

地方創生

日本では、都市部に人口も仕事も集中するという状態が長く続いてきました。
この状況を放置したことが、都市部と地方との間に大きな格差を生んだといっても過言ではありません。
地方創生は、都市部と地方の格差を埋め、全体的な活力を高めていくために必要な取り組みです。
この記事では、地方創生の定義や意味を説明したうえで、自治体や企業の取り組み、今後の課題などについて解説します。

 

地方創生とは?(定義や意味)

地方創生とはどういう取り組みのことを言うのでしょうか。
言葉は耳にしたことがあっても、意味や定義はよくわからないという人もいることでしょう。
理解しているつもりでいても、いざ端的に意味を説明しようとすると、案外うまく言葉にできないものかもしれません。
地方創生という言葉についてのとらえ方が人によって異なる状態では、実際に行われている取り組みや課題について紹介しても、その評価はまちまちになってしまいます。
まずは地方創生の定義や言葉の意味について解説していきます。

地方創生は、第2次安倍改造内閣が発足当初から掲げている政策の1つです。
ただし、どのようなものを地方創生というのかということは、その時点では明文化されていませんでした。
「まち・ひと・しごと創生法」が施行され、定義がはっきりしないまま法定組織が行う政策という位置づけになったのです。

少子高齢化が進む日本では、地方の人口が急激に減少し、東京を中心とした都市部に人口が過度に集中する傾向があります。
このことは、単に人口減少に悩む地方の問題だけに留まらず、日本全体で解決しなければならない問題です。

地方創生という言葉からは、それぞれの地方が独自に行う事業という印象をうけるかもしれませんが、国、自治体、住民が一体となって取り組むべきものなのです。
地方創生の柱として、国は「まち」「ひと」「しごと」の3つを掲げています。
「まち」は豊かで安心して暮らせる生活環境を作ること、「ひと」は地域社会を担う人材の育成し確保すること、「しごと」はそれぞれの地域に魅力ある就業機会を創出することです。

また、内閣府は地方創生の定義として、ポイントを3つ挙げています。
1つめは、人口が東京圏へ過度に集中している状況を是正することです。
人が東京圏を初めとする大都市だけに集中すると、それ以外の地方の活力が失われ格差が生じるという点を懸念しています。
2つめは、地域ごとの特性を活かした住み良い環境を確保することです。
それぞれの地域に合ったやり方で、住みやすい環境を整えることが、人口が東京圏に一点集中するのを防ぐためには欠かせません。
3つめは、今だけでなく将来に向けた取り組みであり、日本全体の活力を高める活動であることです。
瞬間的に人口の偏りが是正されても、すぐに元に戻ってしまうような取り組みでは意味がありません。
長期的なビジョンを持った政策であることが求められます。

 

地方創生にかかわる自治体や企業の取り組み

地方創生の成功事例として紹介したいのが、徳島県神山町が行った意外な取り組みです。
神山町は、若者の流出が続き、急激な過疎化に苦しむ山間部の小さな町でした。
高齢化が進み、人口が6000人ほどまで減ってしまった神山街が地方創生の切り札として打ち出したのは、なんと「ビジネスの町」としての売り込みだったのです。
町全域に光ファイバーを整備し、IT関連のサテライトオフィスを誘致しました。

近代的なITベンチャーの仕事を自然豊かな環境の下で行えるということは、都会で仕事に追われていた人々にとっては大きな魅力だったのかもしれません。
多くのITベンチャー企業が神山町にサテライトオフィスを置くことになりました。
このことは、移住者を増やすことにつながっただけでなく、身近に働く場所ができたことにより、若者の流出を減らすことにも繋がったのです。
しかし、神山町では、最初からサテライトオフィスを誘致するという地域創生プロジェクトが進められていたわけではありません。
元々は「アートの町」として売り出す事業を進めていました。
国内外からアーティストを呼び、住民と一緒に作品を作るというプロジェクトです。

ところが、2010年に転機が訪れました。
テレワークが可能になってきたこともあり、都会のITベンチャー企業がサテライトオフィスを神山町に開設したのです。
大自然に囲まれたオフィスで生き生きと働く様子がメディアで取り上げられ、注目を集めた結果、多くの企業が神山町にオフィスを置くようになり、2016年には16社にまで数が増えました。
地元の資源を生かしながら、移住者の獲得と仕事の創出に成功した事例です。

地元に職場を作るというだけなら、大手企業を誘致するのが手っ取り早い方法ではないかと考える人もいるでしょう。
しかし、いくら大きな工場や商業施設などの建物ができても、移住者が増えなければ、地方創生には繋がりません。
一時的に訪れる人が増えても、長続きしなければ採算が取れないと判断して、せっかく誘致した大手企業が撤退してしまうこともあり得ます。
地方創生には、その地域が抱えている問題に気が付きしっかり向き合うこと、地域の魅力を積極的に発信することが必要です。

地域の特性を無視したやり方では、地方創生はうまくいきません。
成功している地方創生プロジェクトの多くが、自治体と地元のベンチャー企業などの官民連携で行われているのもそのためでしょう。

 

地域創生における課題や問題点

地方創生に取り組むうえで、忘れてはいけないことがあります。
それは、地域ごとに抱えている問題点や課題が異なるため、それぞれに合った解決の仕方を選ばなければならないということ。
同じような問題を抱えているように見えても、原因が異なれば解決に向けた取り組み方も異なります。

例えば、人口減少に苦しんでいるという点が共通していても、原因が同じとは限りません。
そもそも高齢者しか住んでいない地域で子どもが1人もいないという場合と、子どもはたくさん住んでいるのに、一定の年齢なったら進学や就職のために外に出てしまうという場合とでは、解決策が変わってきます。

また、国が地方創生を推進しているからといって、地方独自の理念を持たないまま形だけ地方創生に取り組んで上手くいくことは多くはありません。
理念がないということは、誰のために何を行うかということを考えていないのと同じ。
他の事例を真似をして地方創生に取り組んでいても、無駄なコストや手間を掛けるだけなので、住民にとってはメリットがありません。

地方創生は、その地域で生活する人の協力なくして成功は難しいと言えます。
きちんとした理念を掲げたうえで、住民や地元企業の協力を得ながら進めていくことが大切です。
外部から企業や人を集めたいという思いだけで、地元住民の意見や意思を無視してしまうと、後々問題が起こる可能性もあります。
自治体だけで課題解決を図ろうとせず、地元企業や大学、住民などの力も借りて行うという姿勢が大切です。

さらに重要なのが長期的なビジョンで物事をとらえられるかどうかという点です。
すぐに結果を出せたとしても、一時的なもので終わってしまったのでは、根本的な解決にはなりません。
結果が出るまでのスピード以上に、将来につながるかどうかを重視して、解決すべき課題を決めることが大事です。

 

地域の特性を理解し独自色を出すことが成功のポイント

地方創生は、地元の住民や企業が納得し、進んで協力できるようにすることが理想です。
その為には、地域の特性を理解した上で、地方が抱えている問題点を解決できるように取り組むことが必要でしょう。

他の自治体や企業で行われた成功事例を参考にすることは大事ですが、そのまま真似をしてもうまくいきません。
独自色をきちんと打ち出すことが成功に結びつけるためには不可欠です。

 

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